ハイヒールは女性差別?職場のヒール強制にNOと言える社会に

ハイヒールといえば、女性の象徴として長い間世界中で愛されてきました。しかし、そんなハイヒールに今世界中でNO!という声が高まっています。

今回は女性の職場での、ヒール強制問題を深く掘り下げていきます!

「ハイヒール革命」の時代到来


職場でのヒールの強制に反対する、ムーブメントのきっかけは2015年に遡ります。

イギリスのあるOLが職場にフラットシューズを履いてきたところ、ヒールを履くように強制され、拒否すると日給なしに帰宅を命じられたという事件に始まります。

彼女はこの出来事をすぐにSNSに投稿し、企業によるハイヒールの強制を法律で禁止するための署名活動を始め、約15万人もの賛同者を集めました。

これを受けイギリスをはじめ北米、そしてアジアなど世界各地で働く女性のヒールの強制を禁止する動きが広がりました。

ヒールの強制で生まれる女性の苦しみ


多くの署名を集めたおかげで、一部の地域で女性に対するヒールの強要を禁止するというルールが定められたにもかかわらず、現状はあまり変わっていないことが事実です。

働く女性の苦しみ①:サービス業での苦悩


このムーブメントが起こった時、一体どの職場でヒールが強制されているのか?という声が多数上がりました。

ヒールを強制される業種として、実は航空会社やホテル業界などの主にサービス業で多くなっており、身近にヒールを強制されながら働いている女性は意外と身近にたくさんいるのです。

そんなサービス業に従事する女性たちは、一日に10時間近くの立ち仕事をヒールを履いて過ごします。

特に、時間との勝負と言われている航空会社では空港を走り回ることも多いため、本来ならばスニーカーで勤務した方が効率が良く、ヒールでの勤務はふさわしいとは言えません。

にもかかわらず、ヒールの着用は地上職でも客室乗務員でも”義務”となっています。

働く女性の苦しみ②:身体への影響


長時間のヒールの着用は足の痛みだけでなく、足の変形や腰の痛みなど医学的にも身体に様々な影響があると言われています。

例えば、ヒールを毎日履いていると足の指が曲がり、ヒールのつま先のような形になってしまう外反母趾という症状になり、ひどい痛みを伴う場合があります。

また、ヒールは足首が不安定な状態のため、ひねったり転倒してしまう危険性は男性よりも圧倒的に大きいです。

このことから、女性はヒールの着用を強いられることによって男性よりも、身体的苦痛を強いられています。

男女の格差はまだまだある。詳しい記事はこちら↓

働く女性の苦しみ③:ヒールの強要=女性差別?


ヒールを履くことは様々な弊害を伴うにもかかわらず、その弊害を受けているのは女性のみであることから、ヒールの強制は差別的だと言えます。

確かに、男性だって夏でもスーツにネクタイ、革靴が基本の服装となっており、これは男性に対する性差別だという意見も多く存在します。

しかし、女性が身体的に苦しんでまでヒールを履くことに、果たして意味はあるのでしょうか?そもそも、男女の服装規定を定めているのは社会的に強者である、マジョリティの男性たちです。

この時点で男性たちには特権があり、女性に対するヒールの強要は不公平なものだと言えます。

話題の#KuToo 運動とは


海外で始まった職場でのヒール反対運動は、日本でも話題となり#Kutoo(クートゥー)というハッシュタグが生まれました。

#KuToo 運動は、女性のセクハラ被害の告白に共感する際に使う#MeToo (ミー・トゥー)・靴(Kutsu)・苦痛(Kutsuu)をかけて新しくできたハッシュタグです。

このハッシュタグがネット上で拡散されると、日本国内で職場でのヒール・パンプスの強制に反対する1万8800人もの署名が集まり、厚生労働省に提出されました。

日本で生まれたこの#KuToo 運動は、古くからの社会通念を覆すために大きな役割を果たしました。

ファッション界でもヒールは時代遅れ!


古くからなくてはならない存在であり、レッドカーペットを歩くセレブたちの当たり前のドレスコードであったハイヒールですが、今やファッション界でその存在感を消しつつあります。

2014年にファッション界の巨匠・故カール・ラガーフェルドは、シャネルのコレクションで煌びやかなオートクチュールをまとったモデルたちにスニーカーを履かせ、世界中を驚かせました。

当時にとっては大胆と言えるこのファッションは、これまで当たり前だったファッションの常識をまさに覆した瞬間でした。

また、かつてココ・シャネルも身体をきつく締めるコルセットから女性を解放し、新しいファッションを生み出したことから、現在のヒールに代わってスニーカーが時代の最先端に台頭しているという状況にも納得です。

履くか履かないかは個人の自由!


ここまでヒールの強制に反対する運動についてお話ししてきましたが、結局ヒールを履くか履かないかは個人の自由です。

なぜなら、人によってはハイヒールを履くことに喜びを感じたり、何か力強い意思表示のために履く人だっているからです。

もちろん女性だけでなく、男性だってトランスジェンダーの人だって、誰でもヒールを履くことは許されるべきです。

問題は、社会が圧力をかけて強要することがいけないということであって、決してヒールを履くことがよくないということではありません。

これからの時代は、「ヒールを履くことはマナーである」という女性に対する古い考え方を無くし、新しいマナーのあり方を模索していくべきです。

そして誰かに強制されるのではなく、誰でも自らの意思で自由な選択ができる社会になったらいいなと思います。

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Natsuki

1999年生まれの大学生。アパレルショップでアルバイトをしながらライターをしています。海外旅行とNetflixが大好きで、将来は海外で働くことが夢です。CE...

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