今月15日に幕を下ろしたNYファッションウィーク。

最終日に行われたMarc Jacobs(マーク・ジェイコブス)のランウェイにはCELESY読者お馴染みの人気モデルが揃い、2017年春夏のトレンドとして掲げた煌びやかなグリッター、シルバーとパステルが織りなす鮮やかな色彩と、一週間続いたファッションウィークを華やかに締めくくった。

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人気ブランドが故に注目の集まる中、期待の裏切らないコレクションで今年も見事にファッション界を魅了したかと思いきや、マーク・ジェイコブスのInstagramで非難が集中!

その元となったのが、モデルたちのヘアスタイルであるドレッドヘア。このドレッドヘアが文化の盗用に値するというコメントがInstagram上に続出。

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デザイナー本人であるマーク・ジェイコブスはそのコメントに対し、

「文化の盗用(Cultural appropriation)や特定の人種のヘアスタイルについて意味不明なことを嘆く人たちが、アフリカ系女性が髪をストレートにしているのを非難しないのは可笑しくないか?

僕は誰でもリスペクトしていて彼らの見た目にインスパイアされてるんだ。僕は人種じゃなく、個人を見ているんだよ。視野の狭い人たちを見るのは心苦しいよ。愛こそが答えさ。全てを感謝し、何からもインスピレーションを受けるのは素晴らしい事だよ」

とコメント。

しかしこのコメントがさらに非難を呼ぶことに・・・。

「ドレッドヘア」と「文化の盗用」

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最初に、ドレッドヘアは2000年代にアフリカ系のヒップホップカルチャーがアメリカ全土に浸透したことでメジャーになった。

ドレッドヘアは元々アフリカ系のアフロヘアの手入れがしやすいようにと広まった、アフリカ系独特の実用的なヘアスタイル。ファッションと違い、実用性を基に広まったドレッドヘアは、白人やアジア人など髪質がアフロヘアと異なる人にはおすすめされないのが基本。

Instagram上でドレッドヘアの使用が文化の盗用と嘆かれた理由は、アメリカや西洋文化のドレッドヘアへの態度が根底にある。

ドレッドヘアを持つアフリカ系アメリカ人は一般的に「不衛生」または「品行の悪い人」と社会から受け入れられないことが多い。

そのようにアフリカ系アメリカ人のドレッドヘアはネガティブな印象を受けるのに対し、ファッションデザイナーで白人のマーク・ジェイコブスがドレッドヘアを取り入れれば社会から称賛されるのは可笑しい、ということ。

マーク・ジェイコブスのコメントに更なる非難

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ドレッドヘアへの非難に対してコメントをしたマーク・ジェイコブスが更なる非難を受けたのは、彼が取り上げた「アフリカ系女性のストレートヘア」について。

マーク・ジェイコブスの言い分は、「何故白人が有色人種の文化を使用すると『盗み』になるのに対し、黒人が白人特有のストレートヘアにすると非難を受けないのか」ということ。

一見、理にかなっている考えだけれども、有色人種だけが対象の人種差別が残るアメリカではこの二つの事柄は同等ではない。

そもそも文化の盗用の概念は「社会において有利な立場の者が、不利な立場の者の文化を搾取すること」なので、人種差別を受けているアフリカ系の人が、有利な立場の白人のストレートヘアを取り入れても、それは文化の盗用には値しない。

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マーク・ジェイコブスの文化搾取が明らかになった今回のNYファッションウィーク。

パステルカラーの織りなすドレッドヘアは華やかでファッションとして称賛したくなるのも理解できる反面、有色人種への弊害が残る現在は取り入れるのが難しい。

文化の盗用の基となる人種差別が消え、全ての人種や文化の素晴らしさを皆がシェアできる日が来ることを願いたい。

今回取り上げた文化の盗用をCELESYの過去の記事でもチェックしてね!

【連載企画第一弾】Cultural appropriation(文化の盗用)って何?人気フェス・コーチェラから見えてくる意外な一面

写真:Instagram
文:CELESY Writer Urara