多様性は美しい。ファッション界に溢れる人種差別と闘うセレブ達

先日、GUCCIから販売された顔の半分まで隠れる黒いニットや歌手のケイティ・ペリーが自身でデザイナーを務めるシューズブランド、「ケイティ・ペリー」の黒色に顔がデザインされたサンダルが「人種差別だ」という批判を受け謝罪しどちらもウェブサイトから削除されました。
このように有名ファッションブランドによって生み出される人種差別的なデザイン。
人種差別は遠い外国の話なんかではなく、私たち日本人だって差別される側になる場合もあるし、差別する側になってしまうこともあります。
これを機に、海外情報に敏感なCELESY読者のみんなにはこのトピックについてどうか他人事とは思わずに一度ぜひ考えてもらいたいな。
ファッション界には人種差別がいっぱい!
GUCCIやPRADAなどの高級ブランドからH&Mなどのファストファッションまで人種差別はファッション界全体にに広く存在しています。
■H&Mの広告が物議!
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H&Mは2018年、黒人の5歳の男の子のモデルが「Coolest Monckey in the Jungle(ジャングルで最もクールな猿)」と書かれたパーカーを着用した広告が、「人種差別的だ」との批判を受け、ウェブサイトから写真の掲載を中止しました。
一方で白人の男の子が起用された別のデザインの広告には、「ジャングルのサバイバル専門家」と書かれたパーカーを着用し、黒人のモデルとは対照的な広告になっていました。
これを受け、アメリカの複数のH&M店舗では暴動やボイコットの動きが起き、過去にH&Mと契約を交わしたラッパーのザ・ウィークエンドやジー・イージーらは契約解消宣言をしました。
■Dolce & Gabbana がアジア人差別?
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”ドルガバ’’の愛称で親しまれるイタリア発のラグジュアリーブランド、ドルチェ・アンド・ガッバーナ(D&G)の中国で行う予定のショーのCMがアジア人を差別しているとして批判され、不買運動が起きました。
問題のCMには、中国人の女性がお箸でイタリアのピザやパスタを食べるという内容で、ナレーションの中でお箸を「棒切れのような道具」と表現し、ピザやパスタを「偉大なるイタリアの食べ物」と表現していることから、中国文化、またはアジア文化を見下していると受け取れます。
さらにその後、デザイナーのステファノ・ガッバーナ氏は、インスタグラム上で中国を揶揄する発言をし、中国国内でD&Gへの怒りが爆発し、上海で予定されていたショーは中止となりました。
ファッションブランドによる人種差別的な商品やプロモーション活動は上記以外にも数え切れないほど存在し、ニュースになっているのはほんの一部にすぎません。
これらの状況を見かけた時に、立ち止まって疑問に思う力を日本の若い女の子達には身につけてほしいな。
MTV受賞スピーチのセレブの発言まとめもご紹介
マイノリティモデル達の差別との闘い
モデル業界では、「人種」を理由にオーディションに落とされるという事実が未だに存在します。
特にアフリカ系、アジア系のモデル達は日々差別に奮闘しています。
アメリカのメディアThe Fashion Spotによると、ランウェイを歩くモデル達の人種の内訳は、2018年の秋のコレクションで有色人種のモデル(黒人/アジア人/ラテン系/中東)の割合はたった30%しか占めておらず、ほとんどが白人モデルによって占められているのです。
それでも2017年の有色人種のモデルの割合よりは約2倍と増えていて多様性を目指すファッション業界の努力が見えます。
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そんな白人ばかりで溢れるモデル業界やファッション業界に疑問を抱いた西アフリカのリベリア出身の黒人モデル、Deddeh Howardは、白人モデルの広告を自分に’’鏡’’のように置き換えて撮影をする「Black Mirror Project(ブラックミラープロジェクト)」を行いました。
Deddehさんは人種の多様性の美しさを発信したいという強い思いからこの活動を始め、世界中の全ての’’色’’の女性にインスピレーションを与えています。
人種差別ってなぜなくならないの?
人種差別が21世紀になってもなくならない理由は、ずばり「無知」であるからです。
主に、差別をする側である白人は欧米ではマジョリティ(多数派)であり、社会的な「強者」にあたり、特権を持っています。
一方で、黒人やアジア人をはじめとする有色人種はマイノリティ(少数派)となり、社会構造的には「弱者」だと言えます。
強者である白人は、そういう社会の構造や自分たちに特権があることを知らず、それらを理解しなくても彼らは生きていけるため、自分たちよりも弱い立場にある有色人種のことを知ろうとはしません。
これを「白人の特権」と言って、人種のサラダボウルと言われるアメリカではよく耳にする言葉です。
そのため白人は、差別される側の黒人やアジア人に関して「無知」であることから
平気で人種差別をしてしまうのです。
人種差別に対するセレブ達の活動
セレブ達が私たちに与える影響は本当に大きい!
そこで人種差別に物申すセレブ達のムーブメントをご紹介します!
■ジャスティン・ビーバー
昨年モデルのヘイリー・ボールドウィンと婚約し、幸せいっぱいの歌手ジャスティン・ビーバーはインスタグラムで黒人をサポートすることを示す「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」のロゴを投稿し、人種差別に抗議しました。
ジャスティンは投稿の中で、「人種差別に光をあてるために自分の声を使いたい」「僕たちはみんな神の子でみんな平等なんだ」と主張し、差別をなくそうと呼びかけたこの行動は多くのファンから称賛されました。
■ゼンデイヤ
ディズニーチャンネル出身で大ヒット映画「グレイテスト・ショウマン」の女優ゼンデイヤは、父親がアフリカ系アメリカ人(黒人)、母親がオランダ系アメリカ人(白人)というバックグラウンド持っています。
ゼンデイヤは、VOGUEのインタビューで「演じる役柄に応じて黒人に対する偏見を無くしたい」という強い意志を持ち、黒人に対する差別や偏見と闘う彼女はメディアに強い影響を与えています。
人種差別的なハリウッドの世界で、黒人と白人の両方の親を持つという複雑な彼女の立場を生かして声を上げ続ける彼女の活動にこれからも注目です!
■ナオミ・キャンベル
90年代に大ブレイクしたスーパーモデルであるナオミ・キャンベルは、20年以上に渡ってファッション界に蔓延する人種差別に抗議し、多様性を訴えてきました。
ナオミは2013年に「多様性連合」というファッション業界の人種差別に反対するグループを立ち上げ、有色人種のモデルを起用しないデザイナーを批判したり、人種の偏見を指摘したりしてきました。
現在48歳のナオミの今後の活躍に期待です。
私たちにできること
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セレブ達ほどの影響力がない私達でも、できることはたくさんあります!
それは、無知でいることをやめて、物事に対してもっと批判的な視点を持つこと!
無知であることは、私たちの間にあらゆる問題を引き起こします。
だから、若いうちからちょっとでも社会のことに目を向けて色々なことを知っていく努力をしよう。
ケイティ・ペリーほどの有名人でさえ無意識に人種差別的なデザインを作り出してしまうように、どんなに素晴らしいと言われている人でも間違いは起こします。
世の中に溢れている情報をを全て鵜呑みにしていては、そこから偏見や差別が生まれてしまいます。
だから、
これって本当なの?ちょっとおかしくない?
そういう視点を持って世界を見てみると私たちの人生はこれからもっと豊かになっていくと思います。
そして私たちの世代であらゆる人種差別がなくなる世界を作っていけたらいいな。